ジェラートのお話
ジェラートの発祥はとても古く、諸説ありますが、その一説にあるのがイタリアの南、シチリア島生まれです。
当時のジェラート職人たちは、毎朝山へ氷を採りに行くところからが仕事でした。長期保存や物流などとは無縁の、フレッシュな冷菓。それがジェラートです。
時代と共に長期保存が可能となり、より遠くまで運べるように進化したのが工場製品のアイスクリームです。
ジェラートとアイスクリームの違い。それは温度にあります。長期保存など考えられてなかった時代に生まれたジェラートは、-10度前後。一方、長期保存や物流の面からアイスクリームは-20度前後までしっかり固められます。この時、ジェラートのままの配合では冷たく、味が伝わりにくいため、脂肪分や糖類を増やしたのがアイスクリームです。
日本へはそんなアイスクリームがジェラートよりも先に伝わりました。アイスクリーム類は日本の規格では乳脂肪分の違いでアイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、氷菓と分類分けされています。
このような規格ではジェラートという分類分けはされていないため、アイスミルクからラクトアイスぐらいの乳脂肪分を含むジェラートについて、一般的に"アイスクリームとシャーベットの中間の食べ物"という偏見のみ先行し、シャリシャリとしたものをイメージされている方が多いのも現実です。
しかし本場イタリアのジェラートは、濃厚かつ滑らかな食感、さっぱりとした後味の冷たいデザートです。